2010–03–22 (Mon) 20:07
こんにちは。梨江です。
お花見の季節になってきたので、過去作、
「さくら 第1話」
公開します。
「もっと読みた~い!」
っていう人がもしかいたら、
hanedarie
のyahooのco.jpまでメールちょうだい。
「それでは、この内容で次回ご提案させて・・・」
ウィ~ン・・・ウィ~ン・・・
羽根田のスーツのポケットのマナーモードの携帯がブルった。
「・・・あ・・・いただきます」
「よろしくお願いします」
商談は終わり、羽根田は客先を後にした。
(誰だろ?)
羽根田は携帯をスーツのポケットから取り出して確認した。
(メール・・・光一郎かぁ・・・)
メールは光一郎からだった。
光一郎は羽根田の彼氏・・・
そう、羽根田は女装娘であった。
羽根田はメールを確認した。
<今度の月曜デートしない?>
(今度の月曜?・・・って、平日じゃない!?)
羽根田の頭の中では、仕事のスケジュールが駆け巡っていた。
(月曜かぁ・・・休み取れるかなぁ・・・)
羽根田は光一郎にメール返信した。
<月曜、ちょっと休み取れるかわかんないけど、またメールするね 梨江 チュッ!>
羽根田は梨江という名前だった。
(月曜かぁ・・・)
会社に戻った羽根田は、有給休暇の申請を上司に出した。
「課長、来週の月曜お休みいただきたいんですけど・・・」
「月曜かぁ・・・羽根田君、わかってると思うけど、年度のスタートの月曜だからなぁ・・・社長も今年に賭けてるんだよ・・・なんとかならないか?」
羽根田は、一瞬迷ったようなそぶりをした。
「・・・申し訳ありません。それはよく分かっているのですが・・・どうしても外せない事情がありまして・・・」
「何だね?」
「いえ、ちょっとプライベートなことなので・・・申し訳ありません」
「・・・」
「・・・」
「・・・仕方ないな・・・」
「申し訳ありません。ありがとうございます」
上司は有給休暇の申請用紙に印鑑を押して承認した。
<続く>